思うこと、気ままに。

どこまでもひとりぼっちだけれど、どこまでも誰かと一緒にいられる

2025-09-04 10:06:54
2025-10-04 12:36:45
目次

今年3月、海王星がおひつじ座へ入りました。
ここからおよそ13年に渡ってこのコラボが私たちに届ける課題とは、ズバリ「自分と他者とのあいだに、境界線をはっきり引くこと」なのではないかと思います。

海王星には幻想とか夢、また現実逃避といったキーワードが与えられています。
すべてを曖昧にし、夢の世界のものにしてしまう。そうすることで区切りをつけたり答えを出すことから避け続ける習性があります。

対しておひつじ座ははっきりと、それも高らかに自分の意志を宣言します。
そこに他者や状況への配慮や忖度は一切、ありません。

黄道12星座のトップバッターであるおひつじ座に課せられたミッションは、勢いよく飛び出すこと。
そこにためらいがあったら、後に続く星座たちは前に進むことができないからです。

おひつじ座は海王星の曖昧さを許さず、海王星はその方針に従う。
コラボと書いておきながら、その実態はおひつじ座が主導権を握る展開になるでしょう。

こう読む理由には、もうひとつのコラボの存在があります。ドラゴンヘッドとうお座の同居です。

1月、ドラゴンヘッドはおよそ18年半ぶりにうお座へ入りました。
このあと2年半ほどをかけて、この星座を遡ります。

ドラゴンヘッドは今世の課題や幸福の在り処などを示します。そのポイントが今年からしばらくうお座にある、と。

実はうお座は海王星がルーラーであるため、この星と似た性質を持っています。
夢見がちで、それゆえ厳しい現実への対処が苦手。結果、悪い人たちに利用されたり騙されてしまうことが多々あります。
そんなときのうお座は「自分って、かわいそうだなぁ」と、自分自身を不憫に思ってオイオイ泣きます。

もちろん、相手を騙したり利用する人間が一番悪いのは確か。しかしうお座も現実を曖昧にせず、他者とのあいだにきちんと一本線を引いておいたら、自己憐憫にまで陥ることはなかったでしょう。

うお座に対して「すべてを受け入れるのではなく、どこまで受け入れて、どこから受け入れないのか」の線を引かせる。
これが今年の始め、うお座に入ったドラゴンヘッドの役目なのではないか、と思えるのです。

境界線を引くこと。
これが海王星やうお座にとってとても辛く悲しいことであることは、実際に線を引き始めると次第に分かってきます。
そして線を引くことの「真の意味」を知ったとき、私は深い悲しみの闇に落ち、切なさのあまり流れ出る涙を止めることができませんでした。

と同時に、境界線を引くことの重要さと尊さも感じ「より、これからの人生を楽しもう」とも思いました。

   * … … * … …* … * …*

松村潔氏は著書「 愛蔵版・サビアン占星術」のなかで「うお座は誰とも仲間になれない」「うお座の人は、なかなか理解できない存在」と記述しています。
それはこの星座が、場所と時間から解放される運命にあるから。
縛るものがない方が、実は誰とも結び合えなかったりするのです。

例えば社員同士なら、社内で起こる「あるある話」もすぐわかる。
また家族であれば「カレーにウスターソースをかけて食べるのは、あり」だけど、よその家ではそれがアウトなら、気持ちは分かり合えない。
一方、同じ年代同士なら、子供のころ流行っていたテレビ番組や歌などのフレーズを少し口ずさむだけで盛り上がれる。

うお座は、こうした属性や思い出などのすべてをなくします。

相手と親密になりたくても、フックとなるものを持たせない。だからこそ上辺でだけは誰とでも同調できる。
しかし、それ以上の深い間柄にはなれない・・・

ドラゴンヘッドは、この悲しい宿命を背負ったうお座の共感力すらも奪おうとしているのではないか。
つまり私たちは最終的に、誰とも分かり合えない世界を生きていかなければならないのか。
そう思うとあまりに辛く悲しく、私は涙を流さずにはいられなかったのです。

でも、そうじゃないんですよね。
むしろ境界線を引くことで上辺では分かり合えないけど、深い部分で分かり合いたい人たちとだけは分かり合えるんですよね。

他者と明確な境界線を引くことで、ある人物とだけはとても深く分かり合うことができます。それは自分、です。

どこまで受け入れて、どこから拒絶するのか。
どこまで関わって、どこから関わらないのか。
どこまで許して、どこから許さないのか。

そうした線を一本ずつ引いていくことで「自分て、こういう人間なんだ」というのが次第に分かってきます。
そしてそれらを表示し、守る。すると内容に合った人だけが自分のまわりに残る。その人たちとだけ結び合っていけばいいのだと思います。

この考えは他者に対しても言えます。
相手があなたを境界線よりも奥へ通さないようであれば、それ以上はもう近づかない。
お互いがお互いの境界線を尊重する。すると無駄な争いや疲労を負わずに済みます。

相手と心理的・物理的に距離が近いからといって、仲が深まるわけではありません。なのに私たちは、どうしても近づきたくなる。
すべての人に好かれようとは思っていないけど、露骨に嫌ってくるのも感じ悪い。

人間関係がよじれる根源は「相手との距離感を間違えていること」と「お互いのあいだに線を引き、明示し、守り、尊重し合うことが欠けているから」なのではないでしょうか。

実は私はこれまで、境界線を引くことをしてきませんでした。そのために辛い思いを何度もしてきました。
でも引き始めたら自分で自分に「大丈夫だよ」って言えるようになりました。

誰とでもつながることが幸せではないのです。境界線を引くから、自分の幸せが色濃くなるのです。
そして他者の世界も尊重するから、関係性は続く。

自分と他者とのあいだに境界線を引くことは「イケてない自分との決別」であり「なりたかった自分になるための儀式」なのです。

海王星はビジョンを描きます。また、おひつじ座には強い自我があります。
どんな自分になりたいのか。未来予想図を描き、そこへ向かって勢いよく飛び出していく。

新しい自分、いや本当の自分を生き始めるのに2025年はあまりにも最適最強すぎる、と私は思うのです。

【参考資料】
愛蔵版サビアン占星術(松村清 箸)
人間関係に「線を引く」レッスン(藤野智哉 箸)
まぼろしハワイ(よしもとばなな 箸)

大原佳代子

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この記事を書いた人

大原佳代子

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